アクセンチュアの概要

コンサルファーム

概要

項目 内容
会社名 アクセンチュア株式会社(Accenture Japan Ltd)/ グローバル:Accenture plc
従業員数 グローバル:約784,000人(2025年9月時点)/ 日本法人:約28,000人(2025年9月時点)
設立年 1962年(日本事務所開設)/ 1995年12月(日本法人設立)/ グローバル:1953年(Arthur Andersen内でコンサルティング部門開始)、1989年正式分社化(Andersen Consulting)、2001年1月1日Accenture社名変更
URL https://www.accenture.com / https://www.accenture.com/jp-ja
株主構成、上場等 NYSE上場(ティッカー:ACN)/ 機関投資家約80%(Vanguard Group 10.2%、BlackRock 8.6%、State Street 4.42%)/ 小売投資家約20%

特徴

競合との比較

アクセンチュアは世界最大級のコンサルティング・テクノロジー企業であり、McKinsey、BCG、Deloitteといった競合他社との比較において、IT・テクノロジー領域での圧倒的な規模と実装能力が際立つ特徴である。特に2024~2025年のAI・デジタル変革需要の急増において、アクセンチュアは約784,000人の大規模人員体制を活かし、GenAI関連売上をFY2025で27億ドル(FY2024比で3倍増)、新規受注59億ドル(前年比でほぼ倍増)と驚異的な成長を実現した。McKinseyやBCGが戦略・経営コンサルティングで高い評価を受ける一方、アクセンチュアはシステムインテグレーション・実装・オペレーションアウトソーシング領域での優位性が顕著であり、クライアントのAI・クラウド導入を統合的にサポートするエンドツーエンド・ソリューション提供能力で競合他社と一線を画している。また、Microsoft(Avanade JV)、Oracle、SAP、Salesforceとの深い生態系関係により、テクノロジープラットフォームの実装効率でも優位性を保有している。

創業ストーリー

アクセンチュアの起源は1950年代初頭にまで遡る。大手会計監査法人Arthur Andersen(アーサー・アンダーセン)の経営コンサルティング部門が、1951年にGeneral Electric(GE)に対して実施したコンピュータ導入の可行性調査により、GEがUNIVAC Iコンピュータ(米国初の商用コンピュータ利用事例の一つ)を導入するまでに至ったことが、会社の出発点となった。この成功が、Arthur Andersen内のコンサルティング事業の急速な成長をもたらし、1989年9月1日に正式にAndersen Consultingとして独立した事業部門として確立された。その後、1990年代を通じてAndersen Consultingは急速に成長し、1995年までに親会社のArthur Andersen自体の売上を上回る規模に達した。しかし、両社間の収益分配をめぐる対立と、Arthur Andersonが自社のコンサルティング子会社「Arthur Andersen Business Consulting」を立ち上げたことがきっかけで関係が悪化。1997年に国際商工会議所に調停を申し立て、2000年の仲裁判断によってAndersen Consultingは完全独立を勝ち取った。その後、2001年1月1日に「Accenture」(「Accent on the future」の造語)に社名変更し、同年7月19日にNYSE上場を果たし、独立系グローバル・プロフェッショナルサービス企業として新たな船出をした。2009年には税務上・法的な観点からバミューダからアイルランド・ダブリンに登記本社を移転し、現在に至っている。

ビジョン・ミッション

ミッション(使命):「テクノロジーと人間の創意による約束を果たす(Deliver on the promise of technology and human ingenuity)」——このシンプルながら強力なミッションステートメントは、アクセンチュアが単なるテクノロジー企業ではなく、テクノロジーと人的専門性の融合によって初めて真の価値を創出できるという哲学を体現している。

ビジョン:「変革のパートナーとして、クライアント、従業員、社会のために信頼されるイノベーティブなパートナーとなり、将来を形作る変革的成果を実現する(To be the trusted, innovative partner, delivering transformative outcomes that shape the future, for our clients, people, and communities)」——このビジョンはアクセンチュアが2025年度に実行中の「Reinvention Services」への事業再編と完全に整合しており、AI時代における統合的な価値創造への強いコミットメントを示している。

中核となる価値創造概念:「360°Value(360度価値)」——アクセンチュアはステークホルダーのあらゆる側面に対する価値創造を標榜している。すなわち、(1)クライアントへの財務的・ビジネス上の価値、(2)従業員のスキル向上・キャリア発展、(3)多様性・インクルージョンの推進、(4)サステナビリティ目標の達成、(5)コミュニティへの貢献——これら5つの次元での価値創造を同時に追求する姿勢が、アクセンチュアの経営理念の中核をなしている。

6つのコア・バリュー:①クライアント価値創造(Client Value Creation)、②グローバルネットワークの活用(One Global Network)、③個人の尊重(Respect for the Individual)、④最高の人材(Best People)、⑤廉潔性(Integrity)、⑥ステューアードシップ(Stewardship)——これらの価値観が、約784,000人の従業員の日々の行動を規定し、クライアント対応の質を決定づけている。

規模

項目 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 備考
従業員数 624,000 721,000 733,000 774,000 784,000 グローバル総数。日本:約18,000→21,000→25,000→28,000人に推移。2025年9月末時点ではレイオフにより若干減少見込み
売上高 615.5億USD 616.1億USD 641.1億USD 649.0億USD 697.0億USD 現地通貨ベースでFY2025は7%成長。FY2026見通し:3-6%成長
営業利益 92.7億USD 95.9億USD 88.1億USD 102.3億USD 102.5億USD 調整後営業利益率:FY2025で15.6%(前年比10bp改善)

注記

  • 従業員数は有機成長と買収による増加の複合結果。FY2025第4四半期では約11,000人のリストラクチャリング実施(8.65億ドルコスト)。
  • 売上高は堅調に成長。FY2024は2%成長に留まったが、FY2025では7%成長に加速。
  • 営業利益は粗利率改善とコスト管理により安定的に推移。FY2025はGenAI関連事業の高マージン化により利益率は改善傾向。

主なグループ会社・アライアンス先

項目 内容
主なアライアンス先 Microsoft(Avanade JVを通じた統合パートナーシップ;Copilot Business Transformation Practice)/ Telstra(オーストラリア、700百万ドルの7年AI JV;Accenture 60%所有)/ SAP、Oracle、Salesforce、AWS(主要テック企業との深い統合パートナーシップ)/ NVIDIA(AI・ロボティクス領域での協業)
主なグループ会社 Avanade(Microsoft Joint Venture、デジタル・クラウド・データ分析領域)/ Mackevision(ドイツ、3D CGI・ビジュアライゼーション;Accenture Songの傘下)/ BRIDGEi2i(インド・ベンガルール、AI分析・データサイエンス;2021年買収)/ Yumemi(日本、デジタル製品設計・エンジニアリング;2025年5月買収)/ CyberCX(オーストラリア、サイバーセキュリティ;2024年買収)/ Work & Co(デジタル製品・デザイン;2024年買収、Accenture Songの傘下)
主な子会社 Accenture Technology Labs(R&D拠点;量子コンピューティング、5G、エッジコンピューティング等の先端技術開発)/ Accenture Capital, Inc(投資・ベンチャー関連)/ Global Capability Centers(GCC)(インド、フィリピン、マレーシア等における配信センター)/ Accenture Ventures(新興テック企業への投資)

内部組織・拠点

組織

アクセンチュアは2025年9月1日に5つの事業部門を統合した「Reinvention Services」(変革サービス部門)への大規模リオーガナイゼーションを完了した。従来の5つの別立て部門(Strategy & Consulting、Technology、Operations、Song、Industry X)を、統合的な変革ソリューション提供体制に再編し、Manish Sharma(CEO of Reinvention Services)が統括する。同時に地域別組織は「Americas(北米・中南米)」「EMEA(欧州・中東・アフリカ)」「Asia Pacific(アジア太平洋)」の3つに整理し、5つの業界グループ(Communications Media & Technology、Financial Services、Health & Public Service、Products、Resources)とのマトリックス構造を維持しつつ、クライアント・ニーズ対応の迅速性を大幅に向上させた。また、Global Management Committee(グローバル経営委員会)には地域CEO、機能別CEO(CFO、CTO、CSIO、CLHRO等)が配置され、全社的な戦略実行と人材育成が統一的に推進されている。

拠点・所在地

国内の主な拠点

  • 赤坂インターシティAIR・赤坂インターシティ(東京、総合本社)
  • アクセンチュア・イノベーション・ハブ 東京(港区三田)
  • 東京ソリューションセンター(中央区勝どき・晴海)
  • みなとみらいオフィス(横浜)
  • 関西オフィス(大阪)
  • アクセンチュア・イノベーションセンター北海道(札幌)
  • アクセンチュア・イノベーションセンター福島(会津若松)
  • アクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター熊本
  • アクセンチュア・アドバンスト・テクノロジーセンター福岡・前橋・仙台・名古屋・京都

海外の主な拠点

  • グローバル:52カ国200都市以上に展開
  • 米国:シカゴ(事実上の本社機能)、ニューヨーク、アーリントン
  • 欧州:ロンドン、パリ、ベルリン、ダブリン(登記本社)
  • アジア太平洋:シンガポール(地域統括)、シドニー、香港、バンガロール、東京、北京
  • Global Delivery Centers:インド(複数)、フィリピン、マレーシア等

代表者及びボードメンバー・パートナーの経歴

役職 氏名 略歴
会長兼CEO(グローバル) Julie Sweet 2010年Accenture入社時は一般法務担当(General Counsel)。2015年北米CEO、2019年9月に第一女性CEO就任、2021年9月に会長職も兼任。Cravath, Swaine & Moore LLP(大手法律事務所)で10年間パートナー(M&A・企業法務専門)。Columbia Law School卒。Fortune Global 500企業初の女性CEO候補として注視されている存在。
日本法人 会長兼アジアパシフィック共同CEO 江川 昌史(Atsushi Egawa) アクセンチュア日本の市場ユニット責任者。2024年9月よりアジアパシフィック共同CEO。30年以上のAccenture経歴を有し、日本市場の成長を牽引。テクノロジー分野での深い専門知識を保有。
日本法人 社長 濱岡 大(Dai Hamaoka) 日本法人の代表取締役社長として経営全般を統括。アジア太平洋地域での事業推進を主導。
日本法人 副社長 立花 良範(Yoshinori Tatehana)、土居 高廣(Takahiro Doi) 両名ともAccenture Japan経営層の中核。各々異なる事業領域・機能を統括。
CEO(Americas) John Walsh 30年以上のAccenture経歴。元グローバルCOO(Chief Operating Officer)。Communications, Media & Technology領域でのグローバルリーダーを務めた。2025年6月より現職(Manish Sharmaの後任)。
CEO(EMEA) Mauro Macchi イタリア・中欧・ギリシャ(ICEG)市場ユニット責任者から昇格。2024年9月より現職。EMEA域内での堅調な成長を実現した経歴を有する。
APAC共同CEO Ryoji Sekido テクノロジー領域のグローバルリード兼Growth Markets責任者。30年以上のAccenture経歴。アジア・オセアニアCEO兼任。Global Management Committee正式メンバー。
CFO(最高財務責任者) Angie Park 2024年12月1日就任。Investor Relations(投資家対応)責任者から昇格。Accenture内で約30年の経歴を保有。テクノロジーサービスのCFOも務めた経験を有する。
CTO(最高技術責任者) Rajendra Prasad 2025年5月1日就任。Accenture内では最古参クラスの経歴(2005年以来)。Karthik Narain(2025年6月より他機会追求のため離職)の後任。
Chief Strategy & Innovation Officer(CSIO) ※空席または内定者(2025年6月時点) 従来Bhaskar Ghoshが務めてきたが、2024年以降の経営体制再編に伴い職務が再整理される見通し。
Chief Leadership & HR Officer(CLHRO) Kate Clifford 2025年6月より現職。27年のAccenture経歴。Americas HR責任者から昇格。Angela Beattyの後任。
Global Chief Executive – Reinvention Services Manish Sharma 30年以上のAccenture経歴。元Americas CEO。Operations領域のグローバルリードも務めた。Avanade Board Chair。
Chief Executive – Consulting Jason Dess 2025年9月以降の新体制で就任予定。CFO & Enterprise Value Practice Lead。Deloitte出身(約20年在籍、Global Finance & Performance責任者)。2021年Accenture入社。
Chief Executive – Strategy Muqsit Ashraf Reinvention Services体制での Strategy領域責任者。
Chief Executive – Operations Arundhati Chakraborty Operations領域のグローバルリーダー。SynOpsプラットフォーム開発・展開の中核的推進者。
CEO – Song Ndidi Oteh 2025年9月より現職。Americas Song責任者から昇格。2011年Accenture入社。David Droga(Droga5創業者、Song立上者)の後任。Droga5買収により同社合流。

参照情報ソース

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